古里の記憶
野の草々の名を口に唱えてみると、一瞬にして遠い日本の風景の記憶が呼び覚まされます。古より、和歌に詠まれ、絵に描かれ、工芸意匠に耀いてきた草木花は、私たちのこころの記憶として刻まれています。
秋の野に咲きたる花を指および折り かき数ふれば七種ななくさの花 萩の花尾花葛花瞿麦をばなくずばななでしこの花 姫部志をみなえしまた藤袴朝貌ふじばかまあさがほの花 山上憶良 やまのうえのおくら 万葉集 巻八
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