5 まるごと全体の「気」

切り刻まない

稽古では、身の丈を超える見事な枝物などは、そのまま教室に運んでもらうようにしています。まるごとの巨きさを目に入れ、山の気をからだに入れる。それは〈木のいのちをいただく〉ことを実感してほしいとの思いからです。草と違い木は年月を経て美しい姿に成ります。考えなしに鋏を入れることは、木にとってなんとも気の毒なことです。皆さんには、木の見どころや死に枝を作らずに生かしきる鋏の入れどころを、一緒に切り分けながら目で覚えてもらっています。

いのちを切り刻まない。〈まるごと全体の精神〉を自分のいける骨格にしていくことが大切です。花のいのちと向き合えるか、花材としか思えないか、道はそこで分かれます。

6 鮮度 →

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