花は人なり
何一つ同じではない草木花の生きているかたち。雨に打たれ、風に倒れ、炎暑に曝され、虫に喰われ、寒さに凍え…厳しい自然の中でいのちを紡いでいます。そこには私たちと同じ人生模様がありました。ある日の道すがら、ふと足が留まった一輪の花。人が佇んでいるかのような面影が重なり、その場に見入りました。「四季は人間のいのちの形をあらわす。花は人なり」。師の教えがストンと胸に落ちた瞬間でした。
『花のなかに、自分の姿をたずねていける力を持った人だけが、花をいけることができるのです。』(師・川瀬敏郎)