1 ゆかしい花の名

古里の記憶

野の草々の名を口に唱えてみると、一瞬にして遠い日本の風景の記憶が呼び覚まされます。古より、和歌に詠まれ、絵に描かれ、工芸意匠に耀いてきた草木花は、私たちのこころの記憶として刻まれています。

秋の野に咲きたる花をおよび折り
   かき数ふれば七種ななくさの花
萩の花尾花葛花瞿麦をばなくずばななでしこの花
   姫部志をみなえしまた藤袴朝貌ふじばかまあさがほの花
           山上憶良 やまのうえのおくら 万葉集 巻八


2 四季一生 →

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